昨年末、10/26から2ケ月間東京国立博物館で開催されていた「運慶展」を見る機会があった。
多くの寺から集められた仏像は人気絶大で、朝オープンの9時半、すでに1時間待ちの状態だ。
1ヶ月半で50万人が来場したというのもうなづける。
特集番組等で取り上げられていた仏像の中で是非見てみたかった、大日如来坐像・重源上人坐像・無錫菩薩立像の三体、いづれも国宝に指定されている。
大日如来坐像は、運慶20代での最初の作品と言われている。その完成度の高さは驚嘆に値する。
神々しいお顔とたたずまい、繊細に彫り込まれ色とりどりに着色された衣、普段では拝見できない後方へと廻ってみるが、どの角度から見てもため息が出てしまう。
重源上人坐像は、平重衡の南部焼き討ちによって大半を焼失した東大寺を復興するため、尽力された重源上人をモデルにした作品と言われている。
今にも語りかけてきそうなその表情。運慶が本人と交流があったとされている為か、人柄まで出ているように見受けられる。
圧巻なのは無錫菩薩立像。世親菩薩立像と対になっていて、北インドの兄弟学僧を題材にした、世界的にも優れた作品と言われている。仏像の高さが190cmを超える大作。
その前に立つと、何とも言えない緊張感に襲われる。こちらの心の中まで見透かされてるよう・・・・・
像に魂を入れて彫り上げた運慶の技量と造形の深さを改めて感じる。
運慶を「日本のミケランジェロ!」と、称する人がいる。
しかし、もしミケランジェロがこの作品を見たとしたら、いかにしてこの像を造り上げたか、運慶に教えを乞うたのではないだろうか。 ROKOKOⅡ