私が二十歳を迎えたのは、就職先の東京だった。
登戸に独身寮があり、JRを乗り継いで八王子のバカデカイ「重度精神薄弱児施設」の現場に通っていたものだ。
(※この名称は当時の正式現場名だが、現在は使用できず施設名は代わっているはずである。)
当時、成人式出席案内の葉書が届いていたのだが、現場が忙しく行くことが出来なかった。
友人と久しぶりに再会し祝いあえなかったのが、心残りであったのを覚えている。
今年、甥っ子の長女が成人となった。
めでたいことである。
あんなに小さかったのにと思うと、時の流れの速さを痛感する。
記念写真撮影の依頼を受け、断れずノコノコと出かけって行った。
美容室で晴れ着を着、髪を結い、髪飾りを付けて完成だ!
ファインダー越に見た彼女は、心なしか急に大人びて見えた。
これからどんな人生が訪れ、どのように生きていくのだろうか?
そして二十歳の区切りに、何を思い何を誓ったのだろうか?
おせっかいおじさんは、ちょっと聞いてみたかったのだがやめといた。
ともかく、幸多かれと願うばかりである。