それでは、般若心経の内容を見ていくこととしよう。
般若心経では執拗なまでに、われわれに「空」の哲学を教えている。
観自在菩薩 行深般若波羅密多時 「観音様が高次の修行を実践された時」
照見五薀皆空 度一切空厄 「五薀はみな空なりと照見された」とある。
五薀とは 「色・受・想・行・識」 の事で、色は物質的存在、受・想・行・識は精神作用の事であるらしい。
いいかえれば 「肉体と心」 と言っても良い。
それが 「空」 だと言う事はつまり、 「自己と言う存在に執着するな!」 と言う事であるようだ。
ここに二個のグラスがある。 片方は五百円の普通のガラスコップ、もう一方は百万円のクリスタルグラス。
しかし、その高価なクリスタルグラスは、先ほど尿検査の為使用され、きれいに洗い終わったものであるという。
さて貴方はどちらでギンギンに冷えたうまいビールを飲みたいと思いますか?
目の前にあるグラスに 「綺麗・汚い」は無いのだとわかっていても、人の心が決めつけている。
教えの中に、無無明 亦無無明人という一説がある。
私たちは、 「真実に目を向けず自分本位の誤った認識で生きることで 「苦」 という感情を抱く!」
というのである。
般若心経の教えを読み解き、存在そのものが 「空」 であることを理解出来ていれば何の問題もない
のだと言うのだが ・・・ 完
ROKOROⅡ